第374章:災害を東にそらしても、悪意は根強く残る

「彼女が出て行くとき、家族は金を渡した――海外でも不自由なく暮らせるだけの額をな」

エイデンは眉をひそめて答えた。

彼が口にしなかったのは、フィンがビアンカに数百万ドルも送金していたことだ。

そこまでそろっていて、どうして金に困るというのか。

そもそも彼女は金が要ってフィンに近づいたのだ。筋が通らない。

ビアンカに、何が起きて金が足りなくなった?

ロニーは一瞬、言葉を失った。

ビアンカから聞いていた話と、どこか違う。

彼は必死に、ビアンカがあの言葉を口にした場面を思い出そうとした。彼女が発した一言一句までも。

たしかに彼女は、家族に完全に見捨てられたとか、一銭ももらえなかった...

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